こんにちは!Mikoです。製造業の海外担当部門に13年勤務していました。

今回は、海外出張に必要な英会話力と仕事以外では、どのように過ごしているのか?
私の経験をもとにシェアしていきます。

海外赴任・海外出張とは?

海外旅行との違い

海外旅行

「海外赴任・海外出張に行く」ことについて、周囲から羨ましがられた経験がある、という方もいると思います。
しかし、海外赴任・海外出張は、海外旅行と似ているようで実際は全く異なることに気が付いていらっしゃらないのかも知れません。

海外旅行の場合、観光先でも、滞在先のホテルでも、こちらはサービスを受ける側なので、英語がうまく伝わらなくても相手が意図を汲み取ろうと努力をしてくれて認識を共有できます。

しかしながら「海外赴任・海外出張」は、自ら意思、情報などを発信し、任務を果たすために、英語、英会話が必要不可欠です。
(業務レベルで使える英語力、コミュニケーション力が必須となります)

海外赴任と海外出張

出張

一般的に、海外出張は、臨時的に異なる勤務先へ出向くことを指します。
海外赴任は、新しい勤務先に出向き、転居も伴いますので、英会話は、生活する上でも、必要になってきます。

準備

スーツケース 旅行準備

海外勤務が決まったら、入手までに時間のかかるパスポート、ビザの申請を速やかに進めます。この他、航空券、ホテルまでの交通機関の手配もします。

海外赴任の場合には、引越しの手配も進めていきましょう。

海外出張で仕事上、自分で準備したものは、次のものです。

自分で準備したもの
  • パソコン
  • デジカメ
  • 電子辞書
  • オリジナルマニュアル
    (現地で仕事をする為に)

オリジナルマニュアルとは、現地スタッフに英語で説明する為に、どのような英文で説明するのかすべて書き出した個人的な資料です。事前準備は、しっかり行いました。

実際にどんなことをしたか

工場 組み立て

マレーシア出張での私の業務は、現地スタッフに『製品の組立手順書の作成方法』を教えることでした。その為、製品を組み立てながら説明する必要がありました。

例えば、「Mount the ~.(~を取り付けて)」、「Stick the ~.(~を貼って)」など、ひとつの作業ごとに英語で説明を行い、理解しているか確認しました。

また、「Please check.(確認してください)」は、よく使うフレーズですが、しっかり確認してほしいときは次のように単語の入れ替えをしました。

作業の説明

Please confirm before issuing this manual.
「このマニュアルを発行する前に確認してください」
You need to confirm printed character before mounting the parts.
「部品を取り付ける前に、印刷された文字を確認する必要があります。」
Make sure the direction when mounting the panel.
「パネルを取り付けるときに方向を確認してください」

checkをmake sure に置き換え、しっかり確認してくださいね、というニュアンスを伝えました。

「Please make sure that ~ (~を確認してくださいね)」は、頻繁に使え便利なフレーズです。

以上のような、難しくない文章で伝え、仕事を完了しました。

苦労したことや楽しかったこと

食事と体調管理

エアコン 寒い

出張で苦労したことといえば、体調管理です。大きく崩すことはありませんでしたが、仕事場でも、レストランでも、冷房が強めに効いていて、不調になる日が多くありました。

食事は、合う人合わない人、日本でも様々ですが、私は、社食でも、屋台でも好きなメニューに出会えたので、食事に困ることはありませんでした。

しかし、体は受け付けていなかったようで、冷房からの冷えもあったからか、お腹の調子が悪かったです。

安全面

海外の安全性

他に、女性の出張というと、会社以外では、安全に過ごせるのかどうか、心配されると思います。

上司からは、【ひとりでタクシーに乗らない、帰宅しない】と言われていましたが、他の社員は残業があり、終わるまで待たなければなりませんでした。

早く帰宅したかった私は、「会社に来るタクシーなら安全じゃないかな」と判断してしまい、ひとりで乗ってしまいました。

途中でタクシーが故障してしまい、他のタクシーに乗り換えることは出来ましたが、ホテルまでのルートが正しいのかどうかもわからず、不安な気持ちで帰ったことを覚えています。

楽しかったこと

アジア料理

逆に楽しかったことは、休日に、仲良くなった女性スタッフの自宅に招待してもらい、食事をご馳走になり、泊めてもらったことです。

平日の仕事が終わったあとも、頻繁に食事に出掛けました。中国系マレーシア人でしたので、その友人は皆、中国系で、会話は、中国語と英語が入り混じっていました。

私とは、英語で会話をしてくれましたが、飛び交う言語は、2言語。楽しくも、会話に忙しい食事。さすが、中国人!という感じでした。

第二言語(英語)同士のコミュニケーション

コミュニケーション

マレーシア人は、主にマレー系、中華系、インド系から構成されていて、公用語はマレー語、共通言語は英語です。

小学校から、マレーシア語と英語が必修科目になっているので、英語のレベルは高く、2019年のEF 英語能力指数のアジア圏ではマレーシアはシンガポール、フィリピンに次ぐ第3位です。

地域別ランキング(アジア)

  1. シンガポール 66.82
  2. フィリピン 60.14
  3. マレーシア 58.55
  4. 香港特別行政区 55.63
  5. インド 55.49

高い英語力という評価ですが、マレーシア語が組み合わさった「マングリッシュ」と言われる独自の英語に進化したユニークな英語も使っています。

例えば、「ok,lah!」「No problem,lah!」などの、語尾に付く「lah」です。

はじめは、「うん?okじゃないのか?」と聞き直すと「ok!ok!」と言うので次第にこちらも慣れて「方言のような、訛りなのね」と理解しました。

他にも、「yes」の意味として、「can!」または、「can! can!」と返ってきます。
聞き慣れてしまったので、こちらも「Can ?」と聞くと、「can! can!」。ほんとに短い会話です。

マレーシアの国旗

マングリッシュを知るまでは、英語の発音がきれいでないと恥ずかしい、文法がわからないから話せないと思っていました。

しかし、第二言語(英語)同士での会話は、発音や文法の完璧さより、お互い理解できる英語でコミュニケーションを取ったらいいのだと思えるようになりました。

コミュニケーションがうまく取れることで仕事の効率を上げることができたり、信頼関係を築くことができたりと良い事ばかりなので、気後れせず、英語を使っていったら良いと思います。

仕事以外で経験したこと

Malaysia
仕事以外では、仲良くなった現地スタッフが、街を案内してくれました。

インド系マレー人は、インディアンフードを教えてくれ、ヒンドゥー教寺院とイスラム教の礼拝堂モスクを案内してくれました。

Malaysia

中華系マレー人は、仏教寺院の案内してくれました。

また、マレー系マレー人の女性がラクサといわれる香辛料の効いた麺料理を教えてくれ、屋台のラクサが最高においしかったです。

仕事を一緒にしているうちに、親しくなったマレー系の女性スタッフが「バジュ・クロン」を手作りして、仕事の最終日にプレゼントしてくれました。

女性はカラフルなバジュクロン
バジュクロン
マレーシア女性の伝統的な服装は、バジュクロンというカラフルな民族衣装です。バジュクロンはツーピースで、上半身はトップス、下はスカート、丈やバックデザインは好みで選べます。全体的にゆったりとしたデザインになっています。
布地にもさまざまな種類があり、色合いも学生の制服のようなシンプルなものからカラフルなもの、中にはレースやビーズなどのゴージャスなイメージのものもあります。

「バジュ・クロン」とは、女性のマレー系イスラム教徒が着ている民族衣装で、腕や脚を隠したゆったりとしている服装です。髪と首は「トゥドン」というスカーフで覆います。

バジュ(BAJU)とはマレー語で、”服”、クロン(KURUNG)は”籠”とか”檻”という意味だそうです。

マレーシアの国教はイスラム教のため、社内には礼拝堂があり、1日に5回、メッカの方角にお祈りを捧げていました。

また、ラマダン(断食)という、日没から日の出までの間は、飲食をしない行事が1ヶ月あります。

その時期に出張が重なった時は、なにかピリピリした雰囲気を感じ、早くラマダンが明けないかな、とこちらも願っていました(笑)。

このような異文化を身近に感じられたことは、良い経験となりました。

感想とまとめ

Malaysia

マレーシア出張を経験してみて、気づいたことは、次のふたつのことです。

まとめ
  1. 仕事の場所は、海外だが、業務を行い、任務を果たすことは、国内と変わらない。
    海外で任務 を果たすためには英語が必要になる。
  2. 英語のレベルよりも、仕事のスキルやコミュニケーション能力などが重視される。

私は、職種は高い英語力は必要ではありませんでしたが、他の職種は、高い英語力が必要だったり、低いレベルでも、問題ない職種や会社もあるようです。

最後に、海外赴任・海外出張は、海外で仕事をやり終えた達成感や自信を持てるようになり次の目標が見つかる良い経験だと思います。

私は、英会話が、以前よりも、もっと、楽しくなりました。

海外で仕事をしてみたいひとは、思い切ってチャレンジしてみてはどうでしょうか。