英語やほかの言語を勉強しているとき、私がよく陥るのが、「簡単な単語で上手いこと言いたい病」です。
私だけではないことを願っていますが、滅多に見かけない動詞を使うよりは、”make” “take” “get” ” catch” などの、中学校1年生で勉強するような超頻出動詞と、”in” “on” “at “by” を組み合わせて使いたい。
だってそのほうが、ネイティブっぽくてかっこいいじゃありませんか!
英語通っぽいというか。
英語でしゃべらナイト!という番組に出演されていた英語通訳のスペシャリスト、鶴田知佳子先生の『ここまで使える超基本単語50』という本がうちの本棚のどこかに眠っていますが、やっぱり、簡単な動詞を使い回すことで多種多様な表現が可能であることが書かれています。
でも、この超基本単語の組み合わせには、ちょっとした落とし穴があることに気がつきました。
それは、「ネイティブ以外にはあんまり通じない」ということです。
先ほど、「ネイティブっぽくてかっこいい!」などと、語学をファッション扱いしてしまいましたが、言語はあくまで「通じてなんぼ」です。
いくらTOEICのスコアが良かったところで、伝えたい相手に言いたいことが伝わらなければなんの意味もないのです。
特に、今や、英語を話す相手が必ずしもネイティブとは限りません。
いろんな言語を話す人々が、相手の母語を覚える手間を省くために英語を話すんです。
私も、タイ人やマレーシア人の友人がいますが、いちいちタイ語、マレー語を覚えていられませんし、彼らも日本語を覚えるのが面倒だから、お互い英語で話しています。
英語が世界言語化すればするほど、そういう風潮は強くなると思います。
さて、話しを元に戻しましょう。
お互いネイティブではない場合に、頻出単語を使って上手いこと言おうとしても、相手がその言い回しを知らないと、全然意思疎通できないんです。
しかも頻出単語を使った言いまわし・慣用句はそれこそ無限にあるので、辞書で引くのも一苦労です。
それなら最初から、「ややこしい動詞」を使ったほうがスムーズに会話が進行するんですよね。
ややこしい単語は大抵、持っている意味の範囲が限られています。
つまり、言いたいことをピンポイントに伝えることができますし、辞書を引き間違えるということがありません。
例えば、“I made for the office”って、「急いで職場に向かった」という意味ですが、用法を知らないと通じません。
絶対、“I rushed to the office”のほうが意味が通じやすいです。
しかも、辞書でmakeをひくのとrushをひくのとじゃ、意味の理解速度が段違い。
(例がちょっと簡単すぎますね、ごめんなさい)
そういうワケで、「ネイティブっぽい」用法も覚えたほうが良いものの、必ずしもその用法が、英語話者全員に通じるワケではないこと、心に留めておいたほうがいいのではないかなと感じました。
(でもやっぱり、「ネイティブっぽさ」って憧れますけどね^^)